歌謡曲カバーが新鮮!雨宮天さん「音楽で彩るリサイタル」大阪の感想

想像してほしい。もしも、自分の1歳下の24歳の女性が、70年代80年代の歌謡曲を優美に歌い上げていたら、どう感じるだろう?

自分はこの日、まさにそういう体験をしてきたのだった。

ご本人は「カラオケ」って言ってたけれど、自分の好きな曲を目の前で60分「カラオケ」をしてくれる。あまりにも贅沢な60分だった。

※イエロー(@inahime_poke)です。この記事は、雨宮天さん「音楽で彩るリサイタル」大阪 昼の部と夜の部の感想・レポです。

歌謡曲との出会い

「私の好きな曲を、好きなように歌います」という予告通り、彼女が歌ったのは歌謡曲だった。自分にとってまったく馴染みがないもの。新しい出会いだった。

セットリスト

  • 久保田早紀/異邦人
  • 岩崎宏美/シンデレラ・ハネムーン
  • 渡辺真知子/かもめが翔んだ日
  • (ピアノと橘哲夫さんが登場)
  • 小林明子/恋におちて -fall in love-
  • 欧陽菲菲/ラヴ・イズ・オーヴァー
  • 高橋真梨子/ルビーの指環(寺尾聰さん原曲のジャズアレンジ)
  • Carpenters / Close to You(邦題:遙かなる影)
  • 中森明菜/DESIRE -情熱-
  • 杏里/CAT'S EYE
  • 雨宮天/irodori

彼女の世代にとっての「歌謡曲」

雨宮天さんは自分と同世代、24歳。学年でいえば1つ下にあたる。

今日のMCを聞いていると、雨宮天さんにとって歌謡曲の入り口はテレビだったことが多いようで、それはすごく納得するところ。 誰かのモノマネをよく挙げていたねw

自分がこの日聞いた曲の中で「聞いたことある!」って思えたのは3割ぐらいしかなかったけど、それらすべてが「テレビで聞いたことがある」ものだった。 つまり、ラジオでもなければ、親が聞いていたCDでもない。

それにしても、自分と同年代(1歳違い)の人が、中学生の頃からカラオケで歌謡曲を歌っていたのだという。 中学生のカラオケといえば「みんなが知ってる曲をみんなで歌う」ものになりがちなのに、そうならなかった。とんでもない中学生だ。

大人の魅力

歌謡曲聞いてて感じたんだけど、たぶん今の歌よりも対象年齢がちょっと高いというか、歌詞に出てくる登場人物の年齢がもう少し上なんじゃなかろうか。

つまり、もちろん歌う側にも相応のものが求められるわけで。子供が歌うと、歌詞の表層だけをなぞることになっちゃいそう。 でも、雨宮天さんは、そんな歌をしっかりと自分のものにしている。それに驚いた。

ラヴ・イズ・オーヴァーの「誰に抱かれても忘れはしない」とか「泣くな男だろ」とか、24歳が歌えますかいな…。

ラヴ・イズ・オーヴァー

ラヴ・イズ・オーヴァー

  • 欧陽菲菲
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

歌謡曲と雨宮天さん

今回は「リサイタル」と題されたわけだけど、そもそも「リサイタル」って言葉もほとんど聞かないよね。

自分が知っているのは、ジャイアンが歌うときの「リサイタル」と、戸松遥さんの「Q&Aリサイタル!」ぐらいw

Q&A リサイタル!

Q&A リサイタル!

  • 戸松 遥
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

で、この「リサイタル」ではそれぞれの曲に対して本人とのエピソードを話してくれた。

生ピアノと橘哲夫さんが登場したときには、ジャズのようなものも、バラードのようなものも含めて、ピアノの音が好きということ(だから開演前に鳴っていたのもピアノ曲だった)を語ってくれたり。

「恋におちて -fall in love-」では「ダイヤル回して」などの情景が目に浮かぶ歌詞や、「恋に落ちた ただの女性」というフレーズが好きだという話をしてくれたり。

「ルビーの指環」では「自分が歌うことを前提に聞いているからか、男性ボーカルをあまり聞かない」という話から、高橋真梨子さんのアレンジがとても好き(そしてジャズも好き)という話をしてくれたり。

CAT'S EYE を歌うことになったのは、昭和歌謡曲の流れる中華料理屋さんで海鮮湯麺を食べていたときに、この曲が流れてきたのがきっかけだったり(子供のときの雨宮天さんは、キッズステーションに貼りついてアニメを見ていたんだとも言っていた)。

今まであんまり聞いたことがなかったような、パーソナルな部分を知ることができた。 ちなみに、ちょろいオタクだから終演後は昭和歌謡曲の流れてそうな中華料理屋さんにいった。

本家への興味

もちろん、単純に歌自体を知ることができた。 しきりに「本家では」と言っていたので、自然と興味も湧いてくる。

家に帰ったら「本家」だけを集めたプレイリストを作ってしまっていた()

古い「歌謡曲」は自分にとって新鮮なものだった。懐古の対象ではなくて、未知の対象。レトロなフォントすら新しい。だから惹かれてしまう部分があるのかもしれない。

今日、着席してじっくり聞いていて、いいなあと思ったのは「誰でも口ずさめる」ということ。 親にしてみれば「ヒット曲は1番から全部歌える」ってのが当たり前みたいで、そんな話を聞いたときにハッとしたことがある。

あとは「時代を感じる」というのも新鮮さの1つだった。 恋におちて -fall in love- の歌詞に「土曜の夜と日曜の」ってのが出てくるんだけど、これを聞いて「ああそうか、土曜の日中は働いてる時代だ…」って感じたw*1

シンデレラ・ハネムーンや、desireの dance, dance, dance の部分など、本家をリスペクトしたような踊りなども見ることができてよかった。

「異邦人」になった気分だった

その場での初めての出会い、驚きが薄れてしまうので、自分は普段、あえて事前にセットリストなどの情報を仕入れないことにしている。

しかも歌謡曲はほとんど全くと言っていいほど知らない。そんな状態で臨んだ。 だから、今日が新しい出会いの日になればいいな。そう思って会場に向かったのだった。

冒頭「異邦人」の特徴的なイントロが流れたときから、もうすでに自分自身が「異邦人」となったような気分になっていた*2「歌謡曲のステージ」のごとき照明も相まって、タイムスリップしたように感じる*3

雨宮天さんにはカバーをやってほしい

自分が初めてカバーを見たのは1stソロライブでのこと。 そのときの「月光花」には度肝を抜かれたのだった…ということを当時のライブレポを見返して思い出した。

あの時も思ったけど、低音域もしっかり歌えるのはホントかっこいいなあ…なんて思ったりする。シンデレラ・ハネムーンとかは特にそう。

シンデレラ・ハネムーン

シンデレラ・ハネムーン

  • 岩崎宏美
  • 歌謡曲
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

…なんか、これだけ「リサイタル」の内容がいいと、もっとカバー曲を聞きたくなるよな?

昼の部の開演前と、夜の部の終演後に連番してたキャパさんと話してたんだけど、雨宮天さんはシングルの3曲目に歌謡曲カバーをぜひとも入れてほしい。

高垣彩陽さんは melodia シリーズとしてアルバムを3枚出していて、その名を冠したコンサートも敢行してるから、先行モデルはある。 自分がフォローしてるTwitterのタイムラインでも、何人か同じこと言ってる人がいた。

カバー曲から、雨宮天さんのパーソナルな部分を知ることもできるし、新たな曲と出会うこともできる。もし天さん本人がやりたいことであるならば、そしてその意志があるならば、密かに期待したいところ…。

自分は melodia を聞いて新しい世界と出会うことができた。 いまだって、このブログ書きながら久保田早紀さんの『夢がたり』ってアルバムをずーっと聞いてるし、そういう出会いを与えてくれるからねえ。 もっと知りたいし、教えてほしい。

ともかく、1時間×2公演。いい1日だった。

きょうの ぼうけんは ここまで
イエローでした~

*1:この話、連番者と完全にわかり合ってた。

*2:この歌詞における「異邦人」の意味を考えるとあんまり適切な表現じゃないかもしれないけど…。

*3:あとは、desireで「はーどっこい!」コールしていたオタクがいて、いつの時代にもオタクはいたんだなあ…と感じたりもした()