バドミントンのフットワークの構成要素(3) シャセ(Chassé)

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アローラ!イエロー(@inahime_poke)です。

バドミントンのフットワーク、何も意識せずとも身についてるよ!って人が多いと思いますが、その構成要素に分けてみると発見があったりするものです。

今回はその第3回としてシャセ(Chassé)を見ていきます。

ネタ元はいつもどおり、BWFの公式指導マニュアル(“BWF Coaches Manual Level1”)。今回は49-58頁を特に参考にしています。

シャセ(Chassé)とは

一方の足にもう一方の足を寄せてくること。バドミントンの指導の現場では「引き足」「寄せ足」とも呼ばれてます。

各ストロークの「アプローチ局面」や「リカバリー局面」で使われます。

シャセには大きく2つのパターンがある。2本の足で90度を作るパターン(例:右足が前向き、左足が横向き)と、2本の足を平行にするパターン(つまりサイドステップ)。

足…というとわかりにくいかな。「つま先の向き」が、直角になってるパターンと、平行になってるパターン(=サイドステップ)があるよってことね。

バドミントンではどっちも使います。

  • Chassés can be performed with feet at 90° to each other.
  • Chassés can be performed with feet parallel to each other (side steps).

引用元:“BWF Coaches Manual Level1” p.57

シャセの効用

孫引きになってしまうのが不満極まりないんだけど、3m以内の反復移動は横走りの方が速いんだそう*1

反復移動について、距離・速度・走形態の関係を調べた衣笠(筑波大学)は「3m以内の反復移動では”横走り”が速い」と結論した。

引用元:阿部一佳・渡辺雅弘著『バドミントンの指導理論1』26頁、日本バドミントン指導者連盟、2008年。

したがって、3m以内の短い距離の移動にはこのシャセが適していると言えます。

参考までに、バドミントンのコートは、ダブルスのショートサービスラインからバックサービスラインまでが3.88m。ネットからバックバウンダリーラインまでが6.7mです。

コートを対角線に(例:フォア奥からバック前)移動するなど、長い距離の移動には適していない…ということもお分かりいただけるかと思います。

実際のシャセ

というわけで、実際に使われているシャセの例を見てみましょう。

よく使われるのは、シャトルを打ちに行く「アプローチ局面」と、シャトルを打ってプレーイングセンターに戻る「リカバリー局面」の2つです。

アプローチ局面

まず、2017年全英選手権の女子シングルス決勝(BWF公式配信動画)を見ながら、「アプローチ局面」でのシャセを見てみます。画面手前、世界ランキング1位のタイ・ツー・イン選手(台湾)に注目!

まだスタート局面。相手の返球に対して準備しています。

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画像出典:BWF 公式動画

左足を着地させて、右足を踏み出しています。

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画像出典:BWF 公式動画

着地した右足に、左足を寄せてきています。まさしく「寄せ足(シャセ)」ですね。このとき、左足を右足の後ろで交差させない(クロスステップを使わない)ことに注意しましょう。あくまでも左足は右足に「寄せ」るだけ。左足は右足を追い越しません。

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画像出典:BWF 公式動画

寄せてきた左足を着地させて、さらに右足を踏み出しています。

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画像出典:BWF 公式動画

最後は大きく足を踏み出してヒッティング(ここでランジを使う)。

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画像出典:BWF 公式動画

これらを組み合わせると、シャセが使われていることがわかっていただけるかと思います。

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画像出典:BWF 公式動画

リカバリー局面

続いて、「リカバリー局面」でのシャセを見てみます。画面手前、世界ランキング1位のタイ・ツー・イン選手(台湾)に注目!

スマッシュを打ち終わって、左足を着地させてスタート。

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画像出典:BWF 公式動画

続いて、右足を着地。

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画像出典:BWF 公式動画

着地した右足に、左足を引き寄せています。

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画像出典:BWF 公式動画

引き寄せた左足を着地。その次に、右足を踏み出しています。

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画像出典:BWF 公式動画

その右足を着地して、次のシャトルを打つスタートに入っています。

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画像出典:BWF 公式動画

これらを組み合わせると、シャセが使われていることがお分かりいただけるかと思います。

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画像出典:BWF 公式動画

シャセのトレーニングをしよう

毎日、ラケットを持つ前にステップ走を入れましょう。コート2-3面分、あるいは体育館の壁から壁まで…ぐらいの距離を片道分として走るといいと思います。

つま先の向きが90度のタイプと、平行になっているタイプとがある…という話は最初にしましたよね。

普段の練習では直角タイプと、平行タイプ(=サイドステップ)と、両方やるといいと思います。

直角タイプの練習としては、ツーステップがいいでしょう。斜め前に進むステップ走。

右足を出して、左足を引きつけて、もう1度右足を踏み出す。今度は反対。左足を出して、右足を引きつけて、もう一度左足を踏み出す。

こうして、ジグザグに進んでいくツーステップをやっていると、自然とシャセが身についているはずです。

それからこのツーステップ、往路は前向きのジグザグでいいんだけど、復路は後向きのジグザグを推奨。というのも、バドミントンのプレー中には後方への移動でもシャセを使うことがあるからです。

たとえばヘアピン打って、相手のヘアピンによる返球を狙うときなどは、右足と左足の位置関係を変えないまま、スプリットステップを作ったまま準備したほうがいい。

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画像出典:BWF 公式動画

平行タイプの練習としては、サイドステップがいいですね。

サイドステップだけでひたすら横向きに進む。このときに、身体の向きもつま先の向きも進行方向に向けないように気をつけたいところ。

進行方向に対して垂直方向に身体とつま先が向いてるといいです。

あわせて確認!

ご存知、バドミントンアカデミーさんでもシャセに言及があります。エントリーの主題は「すり足」であり、これもあわせて読むとおもしろいです!

>外部リンク:すり足|バドミントンアカデミー

アプローチ局面の動画

リカバリー局面の動画

連続写真のネタ元、タイ・ツー・イン選手の動画

きょうの ぼうけんは ここまで
イエローでした~
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*1:実際に、衣笠のどの研究論文で言われているのか、出典が見当たらない。したがって大変不満は残るものの、衣笠の研究を無批判に受け入れて結論だけをお伝えする形にします。