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ペンと羽根と、ペンライト

バドミントン歴10年のイエローが、バドミントンに関する様々な情報を中心に発信するブログです。コーチの依頼も受け付けています。

試合中、コーチ席から選手にどんな言葉をかけるべきなのか?

羽根(バドミントン) 羽根(バドミントン)-コーチのうわ言

アローラ!イエロー(@inahime_poke)です。

ぼくはとあるジュニアチームでバドミントンのコーチをやっています。試合前やコーチ席に入ったとき、子どもたちにどういう言葉かけをすればいいのか悩むときがあるんですよね。

とくにインターバルのときのアドバイスによって、試合展開が大きく変わることだってある。アドバイスが功を奏して1ゲーム目とは別人のようなプレーをしてくれることもありますが、言葉がけに失敗して子供が試合を落としたこともあります。そんなことが何度かあって正直ちょっとトラウマだったり。

コーチは選手にどんな言葉がけをすればいいんでしょう?

ビジネス色の強い東洋経済なんて趣味じゃないんですけど、おもしろそうな記事を見つけたのでシェアしてみます。レスリングの栄監督の記事ですね。

※この記事においては、断りがない限り上記のニュースサイトから引用しています。

相手のことはあまりしゃべらない

私がセコンドとして選手につくときは、選手の集中力や闘争本能、自信を強化するように心がけています。ですから、「絶対に負けるな」とか「相手は大して強くない」など、感情を左右するようなことは言いません。

私が言うのは、「これまで世界一キツイ練習をしてきたんだ、お前ほど努力した選手はいない」ということです。

相手の「強い」「強くない」が、ときどき口をついて出ることがあります。これは自分の今の課題でもあるのですが、他のコーチの方にも選手に相手の情報を与えすぎてしまうことってないでしょうか?

相手選手のことをコーチが知っておくことは必要かもしれないけれど、なかには伝えるべきではない情報だってありますよね。

たとえば「あの子は前の大会で優勝している」「上位常連の、〇〇ジュニアの子だ」「親や兄弟が大阪府の代表選手だ」など。こんなことを伝えて選手に何かメリットがあるかと考えてみると、「不安を煽る」以外に何も思い浮かびません。

やってきたことにフォーカスする

確実に自信をつけるのは、事実。「やってきた」「努力してきた」という事実なのです。

もし、自信を失いそうになったら、これまで自分がやってきたこと、努力してきたことを列挙してみましょう。あれもやった、これもやったと思い出すことで、やるべきことはやってきたという自信につながり、力が発揮できるはずです。

レスリングの栄監督によれば、柔道のナショナルチームを率いる井上康生監督や、シンクロナイズド・スイミングの井村雅代ヘッドコーチも同じことを言うんだそう。

勝つことに意識が向きすぎると、プレーって単調になったり攻め急いだりしちゃうんですよね。これはぼく自身プレーヤーとして痛いほど経験がありますし、コーチとしても「勝とう」と力みすぎて空回しする選手を見てきました。

だから試合中には、目先の勝ち負けよりも、いま自分にやれることを出し切るようにと伝えています。

感性に訴えかける

試合中になにをやってもうまくいかず、不安な表情を見せる選手や泣き出す選手も結構いてます。そんなときに「スマッシュ主体で攻めろー」とか「クロスカットを混ぜてみよう」みたいな戦術論は届きにくい。ぼくもついついやっちゃうんです(自戒

こういうときは理性よりも感性に訴えかける言葉がけをするほうがいいんじゃないでしょうか。そしてそのためには「やってきたことを思い出す」言葉がけをできればいいんじゃないかなって思うわけです。

この辺はぼくもコーチとして経験の浅い身なので、断定口調になれないのが歯がゆいですが、自分なりにやってきてそう考えるようになりました。

ちなみに、いままでで一番衝撃だったのは、ぼくの行ってるジュニアチームの代表コーチの「〇〇!!お父さん見てるで!!」でした。この一言でその子のプレーが別人のように冴えるようになったのです。いやー、ホントわからないもんだわw

おそらく代表コーチはその子と父親の関係をよく知っておられたってことだろうと思います。そういう観察も大事なのね。。

繰り返すようですが、感性に訴えかける言葉って大事です。

試合後の言葉がけも大事

トップアスリートの勝利インタビューで、「いままでの苦しい練習を思い出しました」というコメントを聞くことがあります。このコメントが出てくるということは、おそらくコーチもそういう言葉がけをしているんじゃないだろうかと想像します。

もちろん「苦しい」だけではなく、技術系の練習であったり、メンタルトレーニング、ビデオを使った戦術分析など、取り組みは様々あるかと思います。ともかく「やれることは全部やった!」と言い切れる状態で試合に望んでもらうことが何よりも大切なことだ、という結論に至ります。

「誰よりも努力した」といい切れるほどやる。だから最近、試合が終わった選手には「やれることは全部やったと言い切れる?」と聞いています。首を縦に振る選手はほとんどいません。結果はいままでの取り組みの果実です。収穫した果実に納得がいかないなら、次からは取り組みを変えなければいけません。

いきなりですが、スーパーに買物に行くときのことを想像してみてください。

  • 財布に100円いれて買い物に行くとき
  • 財布に10000円いれて買い物に行くとき

どっちが強気になれるでしょう?

これは、ぼくがNHK「奇跡のレッスン」という番組をみたときに使われていた喩えで、マレーシアのナショナルチームのコーチをしていたミスボン・シデクさんが、「試合で緊張しないためのコツ」として言っていたことです。

その財布の中身を決めるのは、バドミントンでいえば練習です。「誰よりも練習した」という自信こそが、試合中の選手のメンタルを力強く支えるということです。

選手に復唱してもらう

最後に本筋から離れますが、ちょっとしたおまけ話を。

『バドミントン・マガジン』2016年12月号には、巻末に松友美佐紀選手の親へのインタビューした掲載されています。

試合中のインターバルではコーチや監督をアップで撮り、どんなアドバイスがあったのか、美佐紀に復唱させました。そうすれば、言われたことを自分自身であらためて確認できますし、僕らもどんなことを教えてくれているのか勉強できたからです。
引用元:『バドミントン・マガジン』2016年12月号105頁、ベースボール・マガジン社、2016年。

これ、おもしろいですね!ぼく自身「あのとき出したアドバイスは適切だったか」と言葉を振り返ることはありますが、表情や仕草を見直したいと思っていたので、こっそりやってみようかな。

「見られている」ということ自体に意味があるので、誰かぼくのアドバイスのシーン撮っておいてください()

きょうの ぼうけんは ここまで
イエローでした~
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