一時閉鎖になったWELQのようなキュレーションメディアの内実を、契約ライターが語ろう

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アローラ!イエロー(@inahime_poke)です。

WELQをはじめとするDeNAのキュレーションメディアが相次いで一時的に閉鎖になっていますよね。たとえばNHKオンラインでも主要ニュースのトップに出てくるぐらい*1です。

ぼくはいまちょうど、某キュレーションメディアで契約ライターやってるのですが、正直、今回ちょっと騒動になって「まあ、そうなるわな…」って思いました。「キュレーションメディアの記事ってなんでこんなにいい加減なの?」って思う人もいるでしょうから、ここではぼくのわかる範囲で内実をお伝えしたいと思います。

なぜキュレーションメディアの記事は低レベルなのか

基準がいい加減だから

大手のキュレーションメディアですら、記事の作成基準はまあいい加減なもんですよw

基準っていうとだいたいこんな感じでしょう。少なくとも自分が契約してる数件は全部そうですね。

  1. Googleの検索1ページ目に出てくる情報は漏れなく記載
  2. 検索されそうなキーワードを中心に記事を書く
  3. 完全なコピーにならないように、言い回しを変えたり、独自の主観的な意見などを入れたりする

こうして大量生産される記事が、どんな低品質なものになるかってわかりますよね!?

みんなが言ってるからとりあえず正しそうだし、同じことを自分も言っておく。でもコピペ乙って言われないようにちょっとだけ独自の記述を混ぜておく。

この基準さえこなしてれば編集者から合格点がもらえるので、ライターはそのレベルの内容の記事を上げて満足するわけです。

つまりですね、「まとめサイト」「キュレーションメディア」って、その名の通り、なにも新しい情報を生み出していないんですよ。最低です。

質より量を評価する構造になっているから

基準さえ満たしていれば質は問われません。質を上げてボーナスが付く場合もありますが、せいぜい1.5倍ぐらいまでのものです。

  1. クオリティにこだわって3時間で1記事を仕上げる(1.5倍のボーナス)
  2. クソテキトーな記事を3時間で3記事仕上げる(ボーナスなし)

1記事1000円だとすると1人目のライターさんは1500円、2人目のライターさんは3000円稼いだことになります。アホらしくて質にこだわってられないんですよね。とにかく書きなぐる。契約してるライター側からすれば、一番「オイシイ」方法は大量に記事を生み出すことなんです*2

基準を満たした記事を書きさえすれば、それが読まれたかなんてどうでもいいんです。

「うつ病」についてのまとめ記事を書くとしましょう。通常何かについて「書く」「発信する」場合というときには、「伝えたい!」という強烈な動機があるはずです。うつ病について何かしらの興味関心や問題意識があるはずです。

たとえば「私はこういうところで苦労したから、同じ悩みをもってる人に改善策を教えたい!こんな本があったよ!こんな治療をしたよ!先生にこんなことを言われたよ!」というような記事になるはずです。どれほど真剣にその記事を書いたのかなんて一読すればすぐわかります。

しかし、キュレーションメディアのライターはそうではありません。ただ金のためだけに書きなぐる「日雇い」ライターです。「うつ病についてなんの興味もないけれど、とりあえず金になるから検索してそれっぽく情報まとめて納品するよー」っていう程度のものそれだけです。そこには興味関心も問題意識もありません。自分が書いた記事がどう読まれるかすら気にしていないはずです。

本来であれば、こうして生み出されるふざけた情報は、検索結果から除外されるべきです。しかしドメインのネームバリューとSEOにモノを言わせて、検索結果の上位に飄々と出てくる現状があります。Googleにはいくつものアルゴリズムがあるらしいですけど、定量的な判断はできても定性的な判断はまだまだ未熟だってことです。

…そこで!あなたはこう言うかもしれません。

質の低い情報なんか検索結果の上位に出すな。さっさと対応しろ。

しかしですね、ぼくに言わせればそれは甘いです。甘すぎます。ハッキリ言って知的怠慢です。

情報の信頼性を確かめる目を養おう

こういうクソ情報が平然と飛び交ってるなかでは、あなた自身が、あなたの頭で情報の質を判断しなければなりません。他人任せにするな。自分で判断しろ。

というわけで、いきなりですが発問です。

情報の信頼性を確かめるために必要なことは何だと思いますか?

実はこれ、ぼくが通っていた某国立大の入試の面接で問われた内容なんですよ。

この大学で4年間きっちり学問と思索に打ち込んだ自負があるので、ぼくなりの答えはもちろんあるんですけど、ここではなにも提示しないでおきます。あなたは普段「信頼できる情報」と「信頼できない情報」をどうやって判断して選り分けているでしょうか?

みんなが言ってれば信頼できる?
専門家が言ってれば信頼できる?
経験者が言ってれば信頼できる?

情報の信頼性を確かめる「目」を養うのって、まさに大学教育に求められることだと思うんですよ。でも今の大学教育で重要視されてるのは目先の役立つことばーっかりです。大学でもっと職業訓練をさせるべきだーとか言っちゃってる。的外れもいいとこ。大学は就職予備校じゃない。就職のために大学行くぐらいなら専門学校いって、どうぞ。

あなたなりに「目」を養ってみてください。日本中の「目」が肥えればWELQみたいな低品質な情報を垂れ流す害悪なキュレーションメディアは撲滅されます。しかし、世の中にバカが溢れると、バカに向けたものが生産される一方です。その結果が今日のキュレーションメディアの台頭だと言わざるをえない。

ねえ、あなたの知的態度、ちょっと見直してみませんか?

ぼくはこのブログで、質の低い情報に対してこれまで何度か噛みついています。これからも噛みつきます。
>例:【画像OK】嘘ばっかり!Googleアドセンス審査ポイント【他社広告OK】

きょうの ぼうけんは ここまで
イエローでした~
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*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161201/k10010791841000.html

*2:出来る限り質にこだわっていますが、ぼくもそれに加担していることを懺悔しておきます。