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中学バドミントン、「部活動」ありきの現行制度はおかしい

アローラ!イエロー(@inahime_poke)です。

2016年リオオリンピックは日本のバドミントンにとって躍進だった!…と言っていいのではないかな。そしてその土壌であるジュニア指導は盛んに行われている。特に小学生。

そのジュニアに関して、ぼくが感じるバドミントン界の課題をここに書かせてもらいたいと思う。それは中学生になると有望なバドミントンプレーヤーが腐っていくケースが多すぎるということです。

ぼくが考える問題点

大きく分けると3つあります。

  1. 指導者とチームを選べない
  2. 顧問の先生次第である
  3. 「学校」の枠でしか公式大会に出場できない

これらの問題のせいでバドミントン界は一体どれほどの機会損失をしているか。考えるだけでも恐ろしい。

クソ遅れた制度のせいで摘まれていった有望なプレーヤーの芽はどれほどあったろう。

指導者とチームを選べない

まずこれですね。中学生は指導者もチームも選べません。

自分が進学した学校でやるしかない。高校ならある程度受験する高校を選べるだけマシですが、中学校なんか選択の余地すらありません。

右に倣え。出る杭は打たれる。「みんなと一緒」がジャスティスなつまらない全体主義。

そんな中学生たちにとって「部活動をしない」という選択肢は取りにくいもの。だから「とりあえず部活入っとくかー」ぐらいの人って結構多いと思うんですよ。

問題は、そういう人たちとバドミントンを熱心に取り組みたい人が混在しているとき。強くなりたい人にとって、「とりあえず部活」程度の人と同じチームで練習するのは損失以外の何物でもない。

顧問の先生の頭がかたいと「中学校の部活の練習にちゃんと来ている人を優先して試合に出します!いくら実力があってもうちの練習休んでジュニアの練習にいってる奴は試合出さねーよ!」って吠えてトラブルになるケースも耳にする。

だからしぶしぶ中学校の練習にも顔を出してるような子もたくさんいる。しかし、上のレベルを目指す人にとって「中学校の部活動」は妥協に妥協を重ねた最悪の選択肢でしかないのだ。

  • モチベーションの低い連中と一緒に
  • 限られたコート数で
  • ボロボロのシャトルで
  • 戦時中みたいな縦社会のなかで

バドミントンをしなければならない。小学生の頃に有望だったプレーヤーが、中学生になって一気に劣化するケースを嫌というほど見てきました。

中学校の部活って、多くの人が初めて「先輩」として権力を握る場なんですよね。そりゃ権力を濫用するに決まってるんですよ。それで人間関係で悩む子が出てくる。

有望なプレーヤーほど、1年早く生まれただけの「先輩」から煙たがれて、嫌がらせを受けて、バドミントン以外のところに注意が向いてしまう。これって健全とはいえないでしょ?

顧問の先生次第である

2つ目はこれ。顧問の先生だってめっちゃ大変ですよ。

部活動のために土日に出勤しても手当なんて雀の涙。超絶ブラック業界です。自分が経験のある競技で自分が好きで顧問やってるならいいけど、ぜんぜん関係ない部活動の顧問になった日には、先生も地獄です。

「未経験者だけど、バドミントン部の顧問になったから新しくバドミントンの勉強しました」って人を何人か知っています。

ぼくの中学校の顧問の先生もそうでした。ほんとうに頭の下がる思いです。でもそういう人はごく一部だと思うの。

しかも、顧問の先生がせっかく強豪校に仕立て上げたとしても、その先生が転勤となればあっという間にその学校のバドミントン部は弱体化してしまいます。

バドミントンというスポーツが、ジュニアチームのように「地域」単位でもなければ、強豪私立校のように「学校」単位でもなく、「顧問の先生」単位で根付く構造はどう考えてもおかしい。

これがどれほどの損失になっているか、バドミントン関係者なら少し考えればわかることでしょ。

「学校」の枠でしか公式大会に出場できない

中学生にとって最高峰の全国大会は「全中」です。この大会運営をやってるのは「中学校体育連盟」ってところです。この制度の一番の問題は「中学校」という枠でしか公式大会に出られないこと。

特に大阪なんかはそれが顕著なんだけど、一部の強豪校をのぞけば府の代表選手になるような子って、中学校の部活がメインの練習場所じゃない。メインは所属しているジュニア。中学校なんか問題じゃない。

例えば、同じジュニアに所属しているのに、通ってる中学校が違ったら、違う中学校からエントリーしなければならない。

ちょっと考えてみてください。いつも同じチームで練習をしている人たちと、同じチームを組んで団体戦に出られないっておかしいんじゃない?

より悪いことに、バドミントン部が存在しない中学校に進学してしまうと、大会に出場することすらできません。スタートラインにすら立てないんですよ?どう考えてもやばすぎ。

解決案:日本バドミントン協会の人へ

これらの問題を内包した現行制度が、果たして理想的なジュニア育成の環境と言えるでしょうか?

甚だ疑問と言わざるをえない。一体何人のプレーヤーがこの制度のせいで腐っていっただろうか。

わたしはこうした問題意識に立脚してこの記事を書いています。ある程度ご賛同いただけたなら、このまま読み進めていただきたい。

「学校」単位ありきの大会運営を見直す

端的に言って「学校」という単位からじゃないと大会に出られないって制度を見直すべき。

例えばテニス。

全日本ジュニアの組み合わせを見ていると、中学校所属の人なんかほとんどいない。だいたいどこかのテニススクールなどの所属だ。つまりこの年齢のトッププレイヤーは中学校の部活動なんかに所属しないということ。

例えば野球。

中学生の野球の全国大会で最もレベルが高いのは、「全中」ではなくて「シニア」の全国大会。軟式野球ではなく硬式野球、学校ではなくシニアのチームから出場する。

ではバドミントンは?

「全中」という大会は残してもいいかもしれないけれど、「ジュニア」の枠からも参加できる大会をもっと活発にしてみてはどうだろうか。中学校の「部活動」に所属しなくても最高峰の大会に出られる仕組みを考えてみてほしい。

あのね、ちょっと考えてみてほしいのよ。そもそも、どこかの中学校に在籍さえしていればそれだけで「中学生」でしょ。「中学生」でありさえすれば大会への参加資格が認められるべき。所属が自分の通っている学校の部活動であるかどうかなんて、瑣末な問題でしょ。

中学生でありさえすれば、学校の部活動から出場してもいいし、所属ジュニアから出場してもいい。そういう柔軟な大会にすればいいと思います。こうすれば現行の制度で腐っていくプレーヤーを救済することができますからね。

外部コーチを積極的に受け入れられるようにする

もう1つ違う方向性での解決策です。外部コーチをどんどん受け入れちゃえばいい。

そもそも、学校の部活動が顧問の先生ありきで運営されているからマズいんですよ。別に学校の先生がスポーツを教えなければならない必然性って全くないよね。

その意味で、橋下元市長が大阪の部活動について、外部コーチをどんどん呼んできたらええやん?って言ってたのは結構的を得ていると思う。民間へのアウトソーシング、どんどんやってしまえばいいのよ。

また、バドミントンって、ぱっと思い浮かぶところだとショップ店員ぐらいしか雇用がない状態です。

じゃあ学生のころ熱心にバドミントンに打ち込んできた人は、大人になってから何をして生きていけばいいの?って話になるよね。

中学、高校、そして実業団と、日本のトッププレーヤーだった人が、トラックの運転手やって腐ってたりパチンコに明け暮れていたりするのを見ると本当にやりきれない思いです。これは身近な話。

「外部コーチのアウトソーシング」はそうした人たちの受け皿にもなる。

そして先生だって、休日に興味のない部活動の顧問という苦行をやらずにすむという幸せ。

そしてもう1つの効用として「顧問の先生が転勤になっても、その学校の部活動は同じ指導者がバドミントンを教え続けられる」というのがあります。

継続した指導は、長い目で見るとその地域にバドミントンを根付かせることにもつながる。

  • 教員の負担軽減
  • 雇用の創出
  • 教員の転勤に左右されない継続した指導が可能

以上3つの観点から外部コーチを受け入れることの効用を挙げることができます。

おわりに

日本バドミントン協会の人たちには、一度こうした問題に向き合ってみてほしいと切に願います。

日本のバドミントン界は、朴柱奉さんをヘッドコーチに迎えて大きく躍進しました。そして長年種を巻いてきた「ジュニア育成」も着実に実を結んでいます。

しかし中学校や高校はまだまだ改善の余地があります。現状では、2つの層の子どもたちの受け皿しかありません。

  • 公立の部活動:中学校からなんとなく部活動をはじめるビギナー勢
  • 私学の部活動:金銭的にも余裕があり、小学生の時点で都道府県でトップの成績を収めている一握りの有望選手

でも「小学生のときから熱心にバドミントンをやっていて、これからも一定のレベルで続けていきたい」という子たちもたくさんいます。こういう子たちはどうすればいいの?

残念ながらそういう受け皿は全く整備されていない…と言い切ってしまっていいほどのレベルです。

中には桃田賢斗くんのように中学生になって富岡に一人で移り住むこともあるし、強豪の私立中学校が近くにあればそこへ子供を入学させる親もいる。

しかしすべての家庭に金銭的余裕があるわけじゃないし、近隣に強い私立中学校がないことだってザラにある。大阪府を例に取ると、中学生の男子の受け皿なんて大阪府下に1つもないよ。これはマジで。

「学校」単位ありきのスポーツなんて、戦前戦後のパラダイムそのまま引き継いでるようなもの。いつまで「社会体育」時代のバドミントンを引きずってるんでしょうか。

あのね。もう2017年ですよ。パラダイム・シフトの時期はとっくに来てます。

きょうの ぼうけんは ここまで
イエローでした~